VUI(Voice User Interface)の設計は,人との対話の流れにとてもよく似ている。
例えばユーザーが何か声を発して,それを機器が上手く認識できなかったときは,ただユーザーに質問を返すのが良いUIとは限らない。
ユーザーが夏場にVUIを使ってエアコンを操作するのが1日に何度もある場合,「エアコンの設定温度を27度にして」と機器に話しかけて,認識に失敗する度に「よく聞き取れませんでした。もう一度おっしゃってください」と返答が来るとしよう。
機器を使い始めて間もない時期は親切に感じるこの返答も,使い慣れてくると返答に使われる時間が鬱陶しくなってくる。
真面目に返答するのではなく,何もしないというのがより良いUIになるケースもある。
機器ではなく人に置き換えて考えてみると分かるが,人は何か話しかけられたときに声が上手く聞き取れなかった場合は「ん?なあに?」と不思議そうな顔をしたり,特に反応しなかったりする。
機器の反応を自然にしようとするなら,こうした人の反応は大いに参考にすべきだ。
下の図は,人の反応を参考に組み立ててみたVUIの基本的なエラー処理のフローの例だ。